水処理や排水処理の現場で頻繁に使われる専門用語「フロック」。これは単なる汚れの集まりではなく、排水をきれいにするための非常に重要な役割を担っています。フロックとは一体何なのか、どのようにして形成されるのか、そして活性汚泥法におけるフロックの重要な役割について分かりやすく紐解きます。
日々の業務で「フロック」という言葉を耳にしても、その正体が何なのか疑問に感じていませんか。まずはフロックの基本的な意味と、どのような成分で構成されているのかを整理していきましょう。
水処理や排水処理工程において、微細な汚れや有機物、そして多種多様な微生物(細菌類や原生動物など)が集まってできた共同体のことを指します。曝気槽などの処理設備を覗いたときに見られる「茶色い泥のような綿くず」が、まさにこのフロックに該当します。
活性汚泥法において、微生物が分泌する粘着性の物質(菌体外多糖類)がノリの役割を果たします。この接着剤のような成分が、微生物同士や水中のBOD成分(汚濁物質)、小さな固形物をくっつけ合わせるわけです。この働きによって、目に見えるほどの大きさを持つフロックが形成されます。
排水処理が正常に行われるかどうかは、フロックの働きにかかっていると言っても過言ではありません。排水処理の心臓部とも言えるフロックが持つ「汚濁物質の除去」と「沈降性」の2大役割を解説します。
微生物がバラバラに存在するのではなく、フロックという塊を作ることで、排水中の汚濁成分(BOD)を効率よく吸着・捕食するための「足場」となります。微生物の集合住宅とも言えるこの塊は、表面積が大きいほど汚れとの接触効率が上がり、結果として処理能力が飛躍的に高まる仕組みです。
フロックが適度な大きさと重さ(密度)を持つことは、処理プロセスの最終段階で極めて重要になります。沈殿槽で速やかに沈むことで、きれいな上澄み水と汚泥(微生物の塊)を分離(固液分離)できるからです。この沈降性こそが、きれいな処理水を放流するための要となります。
処理水質が安定しない、汚泥が沈まないといったトラブルに直面していませんか。フロックの状態が悪化するとどのような処理不良が起こるのか、日常の観察がなぜ重要なのかを紐解きます。
糸状性細菌が異常増殖してフロックがスカスカになり沈まなくなる現象を「バルキング」と呼びます。また、微生物が飢餓状態に陥りフロックが細かく砕ける「解体」という現象も存在します。これらの異常が起きると、フロックが沈殿槽で沈みきらず水と一緒に流出してしまい、処理水質が著しく悪化する事態を招きます。
フロックの状態(色、大きさ、密度、沈み方など)は、処理水質の安定に直結するバロメーターです。日々のSVIの値の測定や沈降試験、顕微鏡観察を通して、活性汚泥の状態を正確に把握してください。フロックの小さな変化に気づくことが、深刻なトラブルを未然に防ぐための第一歩と言えるでしょう。
フロックとは単なる汚れの塊ではなく、微生物が協力して排水をきれいにするための重要な共同体です。汚濁物質の除去から固液分離まで、水処理の要となる役割を果たしています。日々の処理現場でフロックの状態を正しく観察し、異常の早期発見と安定した水処理設備の運用に役立てていきましょう。

| 処理能力 | 3~216kgDS/h |
|---|---|
| 全長 | 1,790~3,720mm |

| 処理能力 | 要問合せ |
|---|---|
| 全長 | 要問合せ |

| 処理能力 | 3~120㎥/h |
|---|---|
| 全長 | 1,550~6,240mm |
※1 参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Water_Treatment_Equipment/detail/MDQ.php)
※2:2025年8月調査時点:参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Dehydrators-Series/)
※3 参照元:東洋スクリーン公式HP(https://www.toyoscreen.co.jp/product/?p=1&ca=7)