加圧ろ過機・真空ろ過機は、圧力または真空の力を利用し、ろ布を通して固液分離を行う脱水方式です。汚泥をろ布に吸着させ、ろ液を排出した後、付着した汚泥を剥離ロールなどで取り外す仕組みで、安定した濾過脱水が可能です。
加圧方式ではろ布を押し広げるように圧力をかけ、真空方式ではろ布裏側の負圧によって水分を吸引するため、脱水しやすい無機性汚泥に対して高い性能を発揮します。薬品を使わず処理できるケースが多く、ランニングコストの抑制にもつながる脱水方式です。
炭酸カルシウムやけい藻土、ベントナイト、セメント原料などの無機系汚泥は、粒子が重く水切れが良いため、加圧ろ過・真空ろ過との相性が非常に良い汚泥です。これらの汚泥では、薬品投入なしでも高い脱水率が得られるケースが多く見られます。
一方、ノリ状・コロイド状・油分が含まれる汚泥では、ろ布表面に粘着し透水性を著しく低下させるため脱水が困難です。粒径が一定で沈降しやすい無機汚泥に特化した脱水方式といえます。
鉱業、セメント・建材製造、化学工場、金属精錬、石材加工など、無機性の沈殿物が多い業界で多く採用されています。薬品を使わずに脱水できるケースが多いため、化学薬品の投入を避けたい製造ラインでも導入されやすい方式です。
また、固液分離の工程が重要なスラリー処理装置の前段・後段にも用いられ、無機物中心の製造現場で高いコストパフォーマンスを発揮する脱水方式です。
圧力設備(加圧ポンプ)や真空ポンプ、濾過ドラム、剥離メカニズムなど、専用の装置構造が必要なため、初期コストは中程度となります。フィルタープレスよりは低コストですが、スクリューや多重円板より高くなるケースが一般的です。
装置のサイズや処理能力により費用が大きく変動しますが、無機汚泥で薬品削減効果が大きい場合は、初期投資を回収しやすい方式です。
薬品使用量が少ないため薬剤コストは低く抑えられ、濾過のみで脱水できる汚泥では非常に経済的です。一方、真空ポンプや加圧ポンプを使用する場合は電力消費が増えるため、ランニングコストは装置構成に依存します。
また、ろ布の洗浄・再生が必要なため、ろ布交換コストや洗浄水使用量も考慮が必要です。薬品コストは低いが、電力・洗浄費が運用コストに影響する脱水方式です。
加圧ろ過・真空ろ過機の含水率は汚泥によって大きく変動しますが、無機系汚泥では70〜80%前後まで低下させることが可能です。特に真空脱水は薬品なしでも水切れが良く、処理後のケーキ量を大幅に減らせます。
ただし、有機性汚泥・油分を含む汚泥では十分な脱水性能が得られず、汚泥の種類によって得意・不得意が明確に分かれる方式です。


圧力や真空の力によって、汚泥をろ布に付着させて脱水を行います。水はろ布を通って排出され、ろ布に付着した汚泥は剥離ロールではがし、脱水ケーキとなって排出されます。
脱水しやすい炭酸カルシウムやけい藻土などの汚泥処理には、薬品を使わない真空脱水が有効です。真空脱水機には、ろ布固定式とろ布走行式があります。
薬品の使用量を抑えつつ、炭酸カルシウム・けい藻土・石膏など脱水しやすい汚泥を効率よく処理できる点が大きな特徴です。無機性汚泥が主体となる処理ラインでは、処理性能・運用コストの両面で優位性があります。
無機系汚泥は凝集操作を行わなくても自然に沈降しやすく、ろ布を通して水分を抜きやすいため、薬注なしで脱水可能なケースが多い脱水方式です。薬品費用の削減に加え、薬剤投入による環境負荷も低減できます。
化学薬品を極力使いたくない工場や環境配慮型の処理ラインで採用されやすい方式です。
汚泥の粒径がそろっている無機系スラッジは、ろ布を通して水分が抜けやすいため、加圧ろ過・真空ろ過方式の最も得意とする領域です。脱水性能の変動が少なく、ケーキ性状も安定しやすい特徴があります。
また、無機汚泥の脱水では、加圧や真空を使う方式の方が安定した脱水速度を確保しやすいという利点があります。
同じ「ろ過型」でありながら、加圧・真空の2種類の方式を現場に合わせて使い分けられるため、スラリー性状や圧力条件に応じた最適な処理を実現できます。
特に真空ろ過はドラム式など構造バリエーションが多く、連続処理や薬品レス運転が求められる現場で高い適応性を発揮します。
汚泥性状によって性能差が大きく、有機性汚泥やコロイド状汚泥では十分な脱水性能が得られません。また、ろ布の管理・洗浄が欠かせないため、運用の手間が増える場合があります。
粘性が高い汚泥や油分を含む汚泥は、ろ布に付着して透水性を失わせ、脱水性能を大きく低下させます。特に、加圧浮上フロスや含油汚泥では脱水がほとんど進まないケースもあります。
油分・高分子成分・コロイド状粒子が多い汚泥には適用が困難で、脱水方式の適正がはっきり分かれます。
ろ布表面に微細粒子が付着すると、透水性が急激に低下し、脱水効率が一気に悪化します。そのため、定期的な高圧洗浄やろ布交換が必要で、ベルトプレスよりも濾材管理の手間がかかることがあります。
加圧・真空ポンプ、剥離ロール、濾過槽など、複数のユニットで構成されているため、装置全体の点検に一定の知識が必要です。特に真空機構は漏れやシール劣化の影響を受けやすく、メンテナンス頻度が増える場合があります。
無機汚泥であれば非常に高い性能を発揮しますが、有機・油分系の汚泥ではほぼ性能が出ないため、適用範囲が限られます。汚泥性状による得手不得手が顕著で、他方式に比べて用途が限定的になりやすい脱水方式です。

| 脱水方式 | 重力吸引+特殊加圧 |
|---|---|
| 処理能力 | 7~15kgDS/h |
| 想定濃度 | 0.5~2.0% |
| ケーキ含水率 | 記載なし |
| サイズ | 1,490mm(W)×1,095mm(D)×1,280mm(H) |
| 消費電力 | 1.42KW |
| 要メンテナンス項目 | 記載なし |
重力吸引と特殊加圧をあわせた脱水処理を行います。前工程でろ布下面で重力吸引し、後工程で特殊加圧ベルトを用いた強力な脱水を行うことで、ケーキ含水率を大きく削減。化学工場や食品工場で多く導入されています。
脱水したろ液をリサイクルすることで、洗浄水の補給量を大幅に削減できます。ろ布に特殊な継手を採用し、簡単に取り扱えるようにして、交換作業の手間を軽減。導入後の定期巡回やアフターメンテナンスを、全国対応で実施している会社もあります。

| 処理能力 | 3~216kgDS/h |
|---|---|
| 全長 | 1,790~3,720mm |

| 処理能力 | 要問合せ |
|---|---|
| 全長 | 要問合せ |

| 処理能力 | 3~120㎥/h |
|---|---|
| 全長 | 1,550~6,240mm |
※1 参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Water_Treatment_Equipment/detail/MDQ.php)
※2:2025年8月調査時点:参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Dehydrators-Series/)
※3 参照元:東洋スクリーン公式HP(https://www.toyoscreen.co.jp/product/?p=1&ca=7)