工場や下水処理施設などで発生する汚泥は、適切に処理しなければならない産業廃棄物のひとつです。汚泥の処理には運搬費・処理費・人件費など多くのコストがかかり、企業にとって無視できない固定費のひとつとなっています。ここでは、汚泥処理コストが高くなる主な原因と、費用を抑えるための基本的な考え方を紹介します。

| 処理能力 | 3~216kgDS/h |
|---|---|
| 全長 | 1,790~3,720mm |

| 処理能力 | 要問合せ |
|---|---|
| 全長 | 要問合せ |

| 処理能力 | 3~120㎥/h |
|---|---|
| 全長 | 1,550~6,240mm |
※1 参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Water_Treatment_Equipment/detail/MDQ.php)
※2参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Dehydrators-Series/)(2025年8月調査時点)
※3 参照元:東洋スクリーン公式HP(https://www.toyoscreen.co.jp/product/?p=1&ca=7)
汚泥処理の費用は、汚泥の量や性状、処理の委託先などによって変わります。全国平均単価は1kgあたり20~30円(※)ですが、処理条件によっては倍近くになることもあります。まずはコストを押し上げている要素を整理してみましょう。
汚泥のほとんどは水分を多く含んでおり、重量の約8割が水分というケースも珍しくありません。処理費用は重量単位で算出されるため、水分を多く含む汚泥はそのまま“水を運んでいる”のと同じ状態になります。このため輸送コストや処分費が大きくなり、結果として処理全体の費用が高くなります。
処理施設までの距離が長い場合、運搬車両の燃料費・人件費が増えます。また汚泥の保管容量が小さい施設では、頻繁に収集運搬を行う必要があり、そのたびにコストが発生します。近距離に処理業者がない地域ほど費用が高くなる傾向があります。
多くの事業所では、汚泥の処理を専門業者に委託しています。近年は人件費や燃料費の高騰により、処理単価が上昇傾向にあります。さらに外部業者に完全委託していると、コスト構造の内訳を把握しづらく、価格交渉もしにくいという問題があります。
汚泥中の粒径や有機物の含有率が高い場合、処理効率が低下します。処理しづらい汚泥は脱水や乾燥に時間がかかり、薬品量やエネルギー消費が増加します。これもコスト上昇の一因です。
自社内で一部処理を行っている場合、処理槽の清掃・薬品補充・設備点検などに人的コストが発生します。また、老朽化した設備を使い続けるとエネルギー効率が悪く、電力や修繕の費用も増えます。
汚泥処理にかかる費用は大きく分けて「運搬費」「処理費」「人件費」「設備費」に分類されます。まずはそれぞれの内訳を明確にすることが、削減に向けた出発点になります。
| 運搬費 | 収集車両の燃料費、作業員の人件費、積み込み・運搬距離に応じた費用 |
|---|---|
| 処理費 | 脱水・焼却・埋立などの処理工程にかかる費用、薬品費、エネルギー費 |
| 人件費 | 自社作業員の人件費、保守管理担当の人件費 |
| 設備費 | 処理設備の購入費・修繕費・更新費など |
これらの費用のうち、最も影響が大きいのが「運搬費」と「処理費」です。汚泥の重量を減らすことができれば、これら2項目をまとめて削減できます。
コスト削減を目的に汚泥処理の見直しを行う場合、最も効果的なのは汚泥の含水率を下げて重量を減らすことです。ここではそのために検討すべきポイントを紹介します。
脱水処理を行い、汚泥中の水分を減らすことで、体積と重量の両方を縮小できます。たとえば含水率99%の汚泥を80%まで脱水した場合、体積は約1/20まで減少します。重量を減らすことはそのまま処理費の削減につながる最も確実な手段です。
委託費が高騰している場合、自社で一次処理を行うだけでもコストを抑えられます。汚泥脱水機を設置し、脱水ケーキの状態にしてから処理業者へ搬出することで、運搬費・処理費を合わせて削減できます。
処理委託先によって、料金体系や対象汚泥の種類、処理方式が異なります。見積もりを複数比較し、単価だけでなく「処理後の含水率」「追加費用の有無」などを確認することが重要です。透明性の高い業者を選ぶことで、無駄な支出を防げます。
汚泥発生段階での固液分離や凝集剤の適正使用によって、脱水しやすい汚泥に改善することも可能です。発生源で汚泥の性状を整えるだけでも、後段の処理効率を大きく向上できます。
汚泥処理費用の削減は、効果を定量的に示すことで社内合意を得やすくなります。ここでは簡単なシミュレーション例を紹介します。
| 項目 | 含水率99% | 含水率80% |
|---|---|---|
| 処理量 | 100kg(うち水分99kg) | 20kg(うち水分16kg) |
| 処理単価(20円/kgの場合) | 2,000円 | 400円 |
| 削減効果 | 約1,600円/回のコスト削減 | |
このように、含水率を下げるだけでも輸送費・処理費を合わせて数十%のコスト削減が期待できます。自社での脱水工程導入は初期費用こそかかりますが、数年単位で見れば十分に回収可能なケースが多いです。

食肉加工工場において、多重板型スクリュープレス脱水機「MDQ-105」を導入した事例では、1か月あたり約10万円のランニングコスト削減に成功しています。
従来の脱水機では15kWもの出力を必要としていましたが、MDQシリーズへの更新によりわずか1.35kWまで低減。電気代にして80%以上の削減を実現しました。
含水率が89.8%から85.3%へと改善。水分が抜けて総重量が大幅に減ったことで、廃棄物処分費を30%以上削減することができました。
| 項目 | 導入前 | 導入後(MDQ-105) |
|---|---|---|
| 脱水機出力 | 15 kW | 1.35 kW |
| 汚泥含水率 | 89.8% | 85.3% |
| 削減効果 | 月間 約10万円のコスト削減 | |
フィリピンの飲料製造工場(国内7工場)において、既存の遠心脱水機から「汚泥脱水機ヴァルート™」へ更新した事例です。高い電気料金とメンテナンス時の長いダウンタイムが課題でしたが、入れ替えにより劇的な改善に成功しました。
機内で汚泥を高速回転させる遠心脱水機に対し、ヴァルート™は毎分2~4回転という極低速で動作します。この仕組みの違いにより、消費電力量を従来の約1/10まで削減。電気代の高いフィリピンにおいて、1日あたり約3ドルの電力料金節約を実現しました。
遠心脱水機では特定の部品交換に最長4か月を要し、その間のレンタル機手配などのコストが重荷となっていました。ヴァルート™は現地での修理・部品交換が可能で、作業期間を1~3日程度まで短縮。機械停止によるリスクとコストを最小限に抑えています。
スイッチを入れた後は自動運転が可能なため、オペレーターが付きっきりになる必要がなくなりました。必要な作業は薬剤の補充とコンテナの入替えのみとなり、人件費・管理工数の削減にも寄与しています。
| 項目 | 導入前(遠心脱水機) | 導入後(ヴァルート™) |
|---|---|---|
| 消費電力量 | 100% | 約10%(1/10に削減) |
| 部品交換時の停止期間 | 最長4か月 | 1~3日 |
| 電力料金の削減(日換算) | --- | 約3ドルの節約 |
| メンテナンス | 高度な専門技術が必要 | 操作が簡単・管理工数減 |

電気浸透脱水機を活用し、従来の脱水技術では到達できなかった領域まで汚泥を絞り込むことで、劇的な減量化を実現した事例です。特に「ケーキ質量の半減」によるコストインパクトには目を見張るものがあります。
汚泥の質量そのものを半分に減らすことで、重量課金である処分費をそのまま50%カット。1日4tの処理を行うモデルケース(汚泥処分費2万円/t)では、年間で約840万円ものコスト削減が可能になる計算です。運搬回数も減るため、物流コストの抑制にも大きく寄与します。
従来の乾燥や焼却による水分蒸発に比べ、脱水工程にかかるエネルギーを60%以上削減できます。化石燃料(助燃剤)を使用しないため、燃料コストの削減だけでなく、将来的な脱炭素経営へのシフトを強力に後押しします。
電気浸透脱水機の導入により、システム全体のCO2排出量を40%以上削減可能です。再生可能エネルギーを併用すれば、排出量をさらにゼロに近づけることもでき、企業の環境対策(ESG投資対応)としての価値も非常に高いのが特長です。
| 項目 | 従来方式(試算) | 電気浸透脱水機導入後 |
|---|---|---|
| ケーキ処分費 | 100% | 50%(半減) |
| 年間削減コスト(例) | --- | 約840万円の削減 |
| 脱水エネルギー | 100% | 60%以上削減 |
| CO2排出量 | 100% | 40%以上削減 |
汚泥処理コストを抑えるには、まず現状の費用構造を把握し、重量を左右する含水率を下げる取り組みが有効です。運搬費・処理費・人件費を同時に減らすには、汚泥の水分を減らす工程をいかに効率化できるかがポイントとなります。
含水率を低下させるには脱水設備の導入が最も現実的です。設備の種類や特徴は施設規模や汚泥性状によって異なるため、目的に合った脱水方式を選ぶことが大切です。実際にどの方式が自社に合うか知りたい方は、以下のページで各脱水機の特徴を比較してみてください。

| 処理能力 | 3~216kgDS/h |
|---|---|
| 全長 | 1,790~3,720mm |

| 処理能力 | 要問合せ |
|---|---|
| 全長 | 要問合せ |

| 処理能力 | 3~120㎥/h |
|---|---|
| 全長 | 1,550~6,240mm |
※1 参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Water_Treatment_Equipment/detail/MDQ.php)
※2:2025年8月調査時点:参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Dehydrators-Series/)
※3 参照元:東洋スクリーン公式HP(https://www.toyoscreen.co.jp/product/?p=1&ca=7)