ベルトプレス型汚泥脱水機

目次

ベルトプレス型汚泥脱水機の概要

主な特徴

ベルトプレス型汚泥脱水機は、2枚のフィルターベルトの間に汚泥を挟み込み、搬送しながら段階的に圧力を加えて脱水を行う方式です。脱水エリアが長く確保されているため、汚泥がベルト上で移動する過程で重力脱水から圧搾脱水までを連続的に実施できます。

構造がシンプルで、処理量を確保しやすい点が大きな特徴です。特に下水処理場や製紙工場のような大量の生物汚泥・凝集沈殿汚泥に適しており、連続運転に強く、処理量優先の現場で幅広く活用されている脱水方式です。

処理対象汚泥の種類

ベルトプレス型は、生物汚泥・凝集沈殿汚泥のような含水率の高い汚泥との相性が良い脱水機です。フロックが形成されている汚泥であれば、安定した脱水性能を発揮します。

一方、粒子が細かく粘性が高い汚泥や油分の多い汚泥では、ベルト表面が目詰まりしやすく、性能が低下することがあります。大量処理に適する一方で、汚泥の粒径や性状の影響を受けやすい方式です。

得意な業界

下水処理場、製紙工場、化学工場、食品工場など、大量の生物汚泥や凝集汚泥が継続的に発生する業界で広く採用されています。処理能力を確保しやすいため、広い敷地や中〜大規模施設での採用率が高いのが特徴です。

連続運転かつ処理量の多いラインに適しており、日々の処理量が一定以上ある現場では運転効率の高さが大きく活きる脱水方式です。

初期コスト

装置のサイズが大きくベルト幅の種類も多いため、初期コストは中〜高程度になる傾向があります。特に高処理量を想定した設備では、脱水ゾーンが長くなるため装置自体が大型化します。

ただし、処理能力が高いため、同じ時間あたりの処理量で比較するとコストメリットが出るケースも多く、日常的に大量の汚泥を扱う施設では費用対効果の高い選択肢となります。

ランニングコスト

ベルトの洗浄に使用する水量が多い点が特徴で、洗浄水の消費量はランニングコストの主要因となります。また、ベルトの磨耗による交換も定期的に必要です。

とはいえ、機構自体はシンプルなため部品交換の頻度は少なく、電力消費は比較的低いレベルで維持できます。水使用量は多いが、電力・保守面では負担が小さいバランス型の脱水方式です。

含水率の低下度合い

ベルトプレス型で得られる含水率は一般に75〜85%とされています。生物汚泥のように繊維感が少ない汚泥の場合は含水率が高めになる傾向があり、凝集条件や前処理の影響を大きく受けます。

圧搾力は加圧方式ほど強くないため、含水率よりも処理量や連続運転性を重視する現場で能力を発揮する脱水方式といえます。

ベルトプレス型汚泥脱水機の原理

ベルトプレス型汚泥脱水機
引用元HP:栗田工業株式会社公式HP
https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/050.html

2枚のろ布の間に汚泥を挟み、ロールが対向している部分を通過するときに汚泥が絞られ、ろ布がロール間を上下に動くことで汚泥が圧搾され、脱水ケーキが得られるという仕組みです。

脱水された汚泥は脱水ケーキとなり、スクレーバによって剥がされ機外へ排出。ろ布は目詰まり防止のために圧力水で洗浄され、再びろ過に戻ります。

ベルトプレス型汚泥脱水機のメリット

連続運転に適し、短時間で大量の汚泥を処理できる点が最大の特長です。装置構造がシンプルで運転管理しやすく、日常運用の負担が少ないため、中〜大規模施設で高い評価を得ています。

大量処理に強く、処理能力を確保しやすい

広い濾過面積と長い脱水ゾーンにより、一度に多くの汚泥を流しても性能が安定しやすく、処理量を優先した運用に向いています。特に下水処理場や製紙工場のような大量の生物汚泥が日常的に発生する現場では大きなメリットです。

処理能力を重視する現場にとって最も合理的な脱水方式と言えます。

連続運転に向いており、運用が安定しやすい

ベルトプレス型は基本的に連続運転が前提のため、汚泥供給からケーキ排出まで途切れることなく処理できます。稼働開始後は一定の条件が保たれれば性能の変動が少なく、運転管理がシンプルです。

この特性により、日々の汚泥発生量が多く、安定した処理ラインが求められる現場で特に優れた性能を発揮します。

構造が分かりやすく、操作性が高い

ベルトとローラーによるシンプルな構造のため、操作・点検・清掃が比較的簡単です。ベルト張力の調整や走行位置の微調整など、現場で対応できる運転管理項目が多い点も扱いやすいポイントです。

装置構造が理解しやすく、新任の作業者でも運用しやすい脱水方式として定着しています。

ベルトプレス型汚泥脱水機のデメリット

目詰まりの発生やフロック構造の変化に性能が左右されやすい点が課題です。また、洗浄水量が比較的多く、ベルト交換の頻度も運用状況によっては増えるため、管理コストがかかる場合があります。

ベルトの目詰まりによる性能低下が起こりやすい

ベルト表面に汚泥の微細粒子が付着すると、透水性が大きく低下し、脱水能力が急激に落ちることがあります。特に有機性汚泥や細粒分の多い汚泥では目詰まりが起こりやすく、洗浄が欠かせません。

定期的な洗浄を怠ると、処理量・脱水性能が大きく低下する点は注意が必要です。

洗浄水量が多く、水使用コストがかかりやすい

ベルトの透水性を維持するため、高圧のノズルを用いて常に洗浄を行う必要があります。そのため、水使用量は他方式に比べて多く、水道代または再利用水の運用管理がランニングコストに影響します。

含水率は加圧方式ほど低くならない

圧搾力はローラーによる機械的なものが中心で、大きな加圧力をかけるわけではないため、得られるケーキは75〜85%ほどが一般的です。無機汚泥を強く絞る用途では性能が不足する場合があります。

含水率よりも処理速度・連続運転性を重視する現場向けの脱水方式となります。

ベルトの磨耗・交換が必要

長期間の運転ではベルトの繊維が磨耗し、ろ過性能が低下していきます。汚泥の性状や洗浄頻度によっては交換サイクルが短くなることもあり、管理計画が必要です。

ベルトプレス型汚泥脱水機の製品例

L-03型(積水アクアシステム)

積水アクアシステム株式会社
引用元HP:積水アクアシステム株式会社公式HP
https://www.sekisuia.co.jp/plant/l/
脱水方式 ベルトプレス型
処理能力 10~25kgDS/h(加圧浮上+余剰混合汚泥の場合)
想定濃度 記載なし
ケーキ含水率 記載なし
サイズ 2,400mm(W)×1,220mm(D)×1,620mm(H)
消費電力 0.8KW
要メンテナンス項目 記載なし

2連式凝集反応槽を標準装備しているため、幅広い汚泥に対応できます。
フロックは特殊なろ布に挟まれて徐圧ロール(孔明ロール)を通過し、脱水部でせん断脱水され、ケーキとなって排出。化学工場や食品工場などで導入されています。

コンパクトでスペースを取らないうえ、1台で多くの汚泥処理ができ、高濃度汚泥の処理も可能です。徐圧(孔明)ロールを採用し、含水率の低下やムラの無い脱水を実現しています。

アフターサポート・メンテナンス項目も要チェック

シンプルな構造で、コンパクトなサイズの機械が多く、日常のメンテナンスが簡単にできるようになっています。ろ布は自動洗浄され、目詰まりしにくい仕組みになっていることが多い装置ですが、一定期間での交換は必要です。

このサイトでは、アフターフォローが行き届いた3メーカーを紹介しています。汚泥脱水機選びの参考にしてみてください。

業種別で選ぶ
おすすめ汚泥脱水機3選を見る

導入業種別 汚泥脱水機3選
多重板型スクリュープレス脱水機 MDシリーズ
画像引用元:鶴見製作所公式HP
(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Water_Treatment_Equipment/detail/MDQ.php)
多重板型スクリュープレス脱水機
MDシリーズ
処理能力 3~216kgDS/h
全長 1,790~3,720mm

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画像引用元:東洋スクリーン公式HP
(https://www.toyoscreen.co.jp/product/?id=1488515606-682526&ca=7)
TS式ドラム型絞り脱水機
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全長 要問合せ

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画像引用元:IHI公式HP
(https://www.ihi.co.jp/separator/products/decanter/mw.html)
スクリュウデカンタ形遠心分離機
HS-MW形
処理能力 3~120㎥/h
全長 1,550~6,240mm

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※1 参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Water_Treatment_Equipment/detail/MDQ.php)

※2:2025年8月調査時点:参照元:鶴見製作所公式HP(https://www.tsurumipump.co.jp/products/Dehydrators-Series/)

※3 参照元:東洋スクリーン公式HP(https://www.toyoscreen.co.jp/product/?p=1&ca=7)