汚泥脱水機には、ろ過式と遠心分離式のものがあり、ろ過式と分類される中に、多重円板・スクリュープレス・フィルタープレス・ベルトプレス・加圧ろ過・真空ろ過があります。
また、汚泥にも様々な種類があり、各汚泥の性状に適した脱水機を使うことが大切です。ここでは脱水方式によって分類し、原理や特徴、各方式を採用している脱水機について、解説します。汚泥脱水機選びの参考にしてみてください。
多重円板型脱水機は、薄い円板とスペーサーを組み合わせて並べた筒状のろ体を、上下に複数配置し、一定方向に回転させて汚泥を搬送する間に脱水します。
加圧浮上フロスなど含油排水の脱水が可能ですが、ろ体からにじみ出る汚泥の洗浄が必要です。圧力や真空を必要とせず、振動・騒音・臭気が少ない環境にやさしい脱水機です。
スクリュープレス型汚泥脱水機は、円筒状のスクリーンとスクリューの間で回転する羽根によって汚泥を搬送し、羽根の押出しによる圧搾力と回転のせん断力で脱水します。
目詰まりしにくい仕組みのため、有機性汚泥に適していますが、羽根間の汚泥充填度が低いと脱水力が低下してしまいます。低速回転のため騒音や振動がほとんどなく、電力費用の低減が可能です。
フィルタープレス型汚泥脱水機は、ろ布を張った2枚の鋼板やプラスチック板で仕切られた空間の中で、汚泥を加圧して脱水します。高い圧力をかけるので、他形式の脱水機より低い含水率のケーキにでき、機械構造がシンプルなので、比較的簡単に処理量の増加が可能です。
汚泥の固形分量や粒子径によってろ布の素材(ポリプロピレン、ナイロンなど)を使い分ける必要があります。
ベルトプレス型汚泥脱水機は、2枚のろ布の間に汚泥を挟んで搬送する間に圧搾して脱水します。ろ布は目詰まり防止のために圧力水で洗浄され、再びろ過に戻る仕組みです。低濃度から高濃度、生物処理汚泥や凝集沈殿汚泥など、幅広い汚泥処理が可能です。
ろ布が目詰まりすると汚泥があふれ、処理能力が低下することがあります。
加圧ろ過機・真空ろ過機は、圧力や真空の力によって、汚泥をろ布に付着させて脱水します。脱水しやすい炭酸カルシウムやけい藻土などの汚泥処理には、薬品を使わない真空脱水が有効です。
凝集剤の使用量が少なく、ランニングコストの低減が可能な上、環境に影響を及ぼさず処理できますが、ノリ状やゴム質、コロイド質の汚泥には適していません。
汚泥脱水機は、使用状況に応じて適切な製品選びをすることで、より効果的なコスト削減につなげることができます。 フォロー体制の整った3メーカーの小規模工場向け製品を、使用状況別におすすめしてご紹介します。
※最大4年までの延長オプションもあり。
※選出基準:Googleで「汚泥脱水機」で検索して表示された汚泥脱水機メーカー13社のうち、下記2項目を満たす3社を選定(2022年1月時点)。
・官公庁向けでなく小規模工場用の製品を製造している
・詳細な製品スペックや運用時のアフターフォローについて記載がある